介護士男性でケアマネになって、本当にやっていけるんだろうか?



私はこれまでに複数の男性ケアマネと働いてきました。
ケアマネは女性が多い仕事で、研修会場を見渡すと、圧倒的に女性が多いのは事実です。
これからケアマネを目指す男性が、周りに相談できる相手もいないまま不安になるのは当然です。
私は現在ケアマネ14年目の主任ケアマネで、居宅介護支援事業所の管理者をしています。
私の職場には男性ケアマネが2人在籍していて、毎日一緒に働いています。
採用する側として、同じチームで働く仲間として、男性ケアマネの強みや壁、現場での姿をずっと見てきました。
ケアマネは男性の方が管理者やセンター長へ昇進しやすく、女性ケアマネにはない大きな強みもあります。
この記事では、男性ケアマネの割合、利用者からの性別指定の現実、実際に活躍している男性ケアマネの共通点を実情からまとめました。
男性がケアマネとして働く姿が具体的にイメージできるように解説していますのでぜひ最後まで読んでください。


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男性ケアマネの割合は?少数派でも需要はある


まず、男性ケアマネがどれくらいいるのか、データから見ていきましょう。
介護労働安定センターの「介護労働実態調査」(令和6年度)によると、介護支援専門員のうち男性は21.3%です。
ざっくり言えば、ケアマネの5人に1人が男性という計算になります。
「やっぱり少ないんだ…」と感じたかもしれません。たしかに少数派です。
しかし14年ケアマネをしている私の考えで言うと、男性ケアマネは決して珍しい存在ではありません。
実は、同じ調査で他の職種と比べてみると、ケアマネは介護業界の中で男性が特別少ない職種ではありません。
| 職種 | 男性の割合 |
|---|---|
| 介護職員 | 27.6% |
| 介護支援専門員(ケアマネ) | 21.3% |
| サービス提供責任者 | 21.0% |
| 訪問介護員 | 16.6% |
| 看護職員 | 7.1% |
訪問介護員は16.6%、看護職員にいたっては7.1%。
それに比べると、ケアマネの21.3%は介護業界の職種ではむしろ男性が多いのがわかります。
研修会場を見渡して男性が少ないと感じるのは、たしかにそのとおりですが、5人に1人は男性。
実際、私が管理者をしている居宅介護支援事業所にも、男性ケアマネが2人在籍しています。
2人とも50代の介護福祉士から転身したベテランケアマネです。
地域のケアマネの集まりに出ても、男性の顔ぶれは必ず一定数います。
少数派だからといって、敬遠されているわけではありません。
理由はシンプルで、ケアマネそのものが全国的に足りていないからです。
高齢者は増え続け、ケアプランを必要とする人も増える一方。
ところが現場では、ベテランケアマネの引退が進み、新人ケアマネの人数は追いついていません。



管理者として求人を出す立場になると、この深刻さは肌で分かります。
募集しても応募は数えるほどで、1人欠員が出るだけで残ったケアマネの担当件数が跳ね上がり、事業所全体に余裕がなくなります。
この状況で、性別を条件に候補者を絞る事業所はまずありません。
男性だからという理由で見送ることはありませんし、逆に男性であることが採用でプラスになるのも現実です。
男性ケアマネが採用で有利になる3つの理由


採用する側の事業所管理者として、はっきりわかっていることがあります。
男性ケアマネは転職市場で歓迎されます。
男性ケアマネが採用に有利な理由は3つあります。
長く働いてくれると期待されやすい
採用側が一番恐れているのは、時間とお金をかけて採用・育成した人が、すぐに辞めてしまうこと。
その点、生活の柱として長期勤務を前提で転職してくる人は、採用側から見てとても心強い存在です。
面接の場で長期勤務の意思をはっきり伝えられれば、それだけで採用にぐっと近づきます。
ケアマネの仕事は、利用者さんとの信頼関係を何年もかけて積み上げていくもの。
長く働いてくれる人ほど事業所への貢献は大きく、採用側は喉から手が出るほど欲しいのです。
管理者やセンター長へ昇進しやすい
私が14年間この業界で見てきた傾向として、男性ケアマネは昇進しやすいのです。
私はこれまで、転職して大手法人の管理者や、センター長になった男性ケアマネを10人見てきました。
男性ケアマネの絶対数が少ないことを考えると、管理者になる割合はかなり高いと感じます。
印象的なのは、管理者やセンター長になってからの方が、みなさん活き活きと働いていることです。
一ケアマネとしての業務だけでなく、事業所の運営や後輩の育成に関わることで、仕事の幅がぐっと広がるからです。
「一生現場のままなのかな…」という心配は不要で、むしろ管理職への道は、一般企業より開けています。
力仕事や緊急対応で頼りにされる場面がある
介護現場と同じで、力や体力が必要な場面で頼りにされるのは、男性ケアマネの実務的な強みです。
ケアマネの仕事に力仕事はほとんどありませんが、それでも「男性がいてくれて助かった」という場面はあります。
たとえば福祉用具の搬入や住宅改修の現場確認でのやり取り、体格の大きい利用者さんの移乗を見守るときなどです。
緊急対応や難しいご家族との面談など、「2人で行こう」となったときに男性ケアマネの存在は心強いです。
女性が多い事業所に男性が加わることで、チームの見方に幅が出ることもあります。
事業所として男性ケアマネを迎えるメリットは確実にあることを採用側はわかっているのです。
男性ケアマネのリアルな2つの壁


ここまで男性ケアマネの強みをお伝えしてきましたが、良いことばかりではありません。
現場で実際に起きている男性ケアマネならではの壁を正直にお伝えします。
女性ケアマネを指定されることがある
男性ケアマネを目指すなら、必ず知っておいてほしい現実です。
利用者さんやご家族から、「担当は女性ケアマネにしてほしい」と希望されることがあります。
私の事業所での経験上、女性ケアマネを希望するのは100%女性の利用者さんです。



女性ケアマネを希望する理由は様々ですが、どれもケアマネ自身の原因ではありません。
・訪問のときにいろんな話をするので、女性同士の方が話が合う
・子どもは娘ばかりで、男性との関わりにずっと慣れていない
・失禁など排泄の悩みを男性には話しにくい
ケアマネは月に1回以上、自宅を訪問して生活の細かい部分まで話を聞く仕事です。
身体や排泄などのデリケートな話題も避けて通れないため、「同性の方が話しやすい」という気持ちは自然なものです。
そこで私の事業所では、女性ケアマネの希望があれば必ず女性が担当する体制をとっています。
新規依頼が来る時点で希望を確認するので、女性を希望した利用者さんに男性ケアマネがつくことはありません。
すでに男性ケアマネが担当しているケースでも、途中から交代希望が出れば女性ケアマネへ引き継ぎます。
担当交代は事業所の仕組みでカバーするものであって、男性ケアマネ本人が傷つく必要はまったくありません。
実際私の事業所の男性ケアマネ2人も、途中で交代を希望されることが複数回ありましたが、気にせず働いています。
ただし、この仕組みが成り立つのは、複数のケアマネがいる事業所だからです。
ケアマネが1人しかいない事業所だと交代する女性ケアマネがいません。
男性ケアマネが働く職場としては、ある程度の人数が所属する事業所の方が安心です。
給料だけで家族を養えるか不安になる
「ケアマネの給料で家族を養えるのか?」という悩みは、転職を考える男性からよく聞きます。
特養などの夜勤がある現場と違い、ケアマネの仕事は夜勤手当というものがありません。
実際、ケアマネの給料は介護職からの転職だと、企業によっては思ったより収入が上がらない場合があります。
責任の重さに給料が見合わないと感じる人もいます。
給料が伸びにくい構造的な理由については、こちらの記事でくわしく解説しています。
しかし男性ケアマネは管理者やセンター長へのキャリアが開けやすいのが強みです。
管理者や役職の手当がつけば、収入は着実に上がっていき、主任ケアマネの資格を取ればさらに道は広がります。
キャリアアップで収入を上げるルートについては、こちらの記事が参考になります。
「今の給料」だけで判断せず、5年後、10年後の年収で考えるのが、男性ケアマネのキャリア設計のコツです。
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活躍している男性ケアマネの共通点3つ


実際に活躍している男性ケアマネについて、私の職場やこれまで出会ってきた男性ケアマネに共通する特徴を3つ紹介します。
- 1つ目:介護福祉士出身で現場経験が長い
-
男性ケアマネの元職は、介護福祉士が圧倒的に多く、私の職場の2人も、どちらも介護福祉士からの転身組です。
現場で利用者さんの体に直接触れてきた経験は、ケアプランを作るうえで大きな武器になります。
「この方の膝の状態なら、この福祉用具が合う」といった具体的な提案ができるからです。
- 2つ目:柔らかい話し方ができる
-
男性ケアマネと聞くと体育会系のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際はまったく逆です。
活躍している男性ケアマネは、みなさん物腰が柔らかく、ゆっくり丁寧に話す人ばかり。
高齢の女性利用者さんが多い仕事なので、威圧感を与えない話し方は自然と身についています。
- 3つ目:自分の方針を持っている
-
私の職場の2人に共通しているのが、ブレない自分軸を持っていることです。
周りに流されず、「自分はこういうケアマネでありたい」という軸を持って利用者さんと向き合っています。
少数派の環境でも堂々と働けるのは、この軸があるからだと感じます。
まとめると、現場経験に裏打ちされた提案力と、柔らかいコミュニケーション、ブレない軸。
この3つを持っている男性ケアマネは、性別に関係なく利用者さんから信頼されています。
男性ケアマネが失敗しない職場選び4つのチェックポイント


男性ケアマネとして長く活躍できるかどうかは、正直なところ職場選びでほぼ決まります。
この記事でお伝えしてきた男性ならではの事情をふまえて、求人を見るときのチェックポイントを4つ紹介します。
- 男性ケアマネがすでに在籍している
-
男性が働きやすい環境かどうかは、実績が何よりの証拠です。
見学や面接のときに「男性のケアマネさんはいますか」と聞いてみましょう。
すでに在籍していれば、女性利用者さんへの担当調整の仕組みもできあがっています。
- ケアマネが複数いる事業所
-
女性ケアマネの指定があったときに交代でカバーできるのは、複数ケアマネの事業所だけです。
1人ケアマネの事業所は、男性の最初の職場としてはおすすめしません。
- 主任ケアマネが在籍し研修体制がある
-
未経験からのスタートなら、教えてくれる先輩の存在は必須です。
主任ケアマネがいる事業所は指導体制が整っていることが多く、特定事業所加算を取っている事業所なら研修体制も期待できます。
- 担当件数に余裕があり事務サポートがある
-
いきなり40件近い担当を持たされる職場は避けましょう。
事務スタッフが書類作成を手伝ってくれる職場だと、残業も少なく長く続けられます。
求人票だけではここで挙げたチェックポイントの事実は正直わかりません。
転職サイトの担当者に「男性ケアマネが在籍している事業所」「ケアマネが複数いる居宅」と条件を伝えて、内部情報を聞くのが一番確実です。
転職を成功させる一番大きなポイントは、職場選びにあります。
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男性ケアマネに関するよくある質問
男性ケアマネの割合はどれくらいですか?
介護労働安定センターの調査では約2割で、ケアマネの5人に1人が男性です。
少数派ですが現場では珍しい存在ではなく、ケアマネ不足のいまは採用市場でむしろ歓迎されています。
利用者さんに女性ケアマネを希望されたらどうなりますか?
事業所の仕組みで対応するのが一般的です。
私の事業所では新規依頼の時点で希望を確認し、女性希望の方には最初から女性ケアマネが担当します。
男性ケアマネの能力の問題ではないので、気にする必要はありません。
男性ケアマネの給料で家族を養えますか?
ケアマネだけの給料では余裕があるとは正直言えません。
男性ケアマネは管理者やセンター長になる人が多く、役職手当で収入を上げやすいのが強みです。
5年後、10年後のキャリアまで含めて考えることをおすすめします。
未経験の男性でも採用されますか?
採用されます。ケアマネ不足のいま、未経験の男性だから不利という事もありません。
私自身、面接では経験の有無より、長く働いてくれそうか、利用者さんに誠実に向き合えそうかを見ています。
未経験からのスタートで不安な点は、こちらの記事にくわしくまとめています。
まとめ:男性ケアマネは少数派だからこそ価値がある
最後に、この記事の要点を整理します。
・男性ケアマネは約2割の少数派、ケアマネ不足のいま採用市場では歓迎される
・長期勤務への期待と管理職へのキャリアが、男性ケアマネの強み
・管理者になった男性ケアマネを10人見てきたが、昇進した後、活き活き働いている
・女性ケアマネを指定される場面はあるが、複数ケアマネの事業所ならカバーできる
・活躍する男性ケアマネの共通点は、現場経験と柔らかい話し方と自分の軸
女性が多い業界に飛び込むのは勇気がいるかもしれません。
でも、私の職場の男性ケアマネ2人を見ていると、性別はハンデではなく個性のひとつだと感じます。
利用者さんが最後に選ぶのは、性別ではなく「この人になら任せられる」という信頼だからです。
少数派だからこそ、男性ケアマネには希少価値があり、管理者やセンター長を目指せる伸びしろもあります。
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どの転職サイトを使うか迷ったら、こちらの比較記事もどうぞ。








