PTスタッフ理学療法士として、10年後も現場で働き続けられるか不安です。



現場は体力勝負なので、年齢を重ねるとキツくなりますよね。
体力勝負のリハビリ業務、思ったより伸びない給料、増え続ける理学療法士の数。
そんな将来への不安から、ケアマネ(介護支援専門員)への転職が気になっていませんか?
実は、理学療法士からケアマネへの転職は、リハビリの専門性が強みになる、相性のいいキャリアチェンジです。
私は介護福祉士として介護現場で15年働いた後、ケアマネになり14年目です。
私も現場で同じような不安を持ちながら働いていて、今のケアマネの仕事へ転身しました。
現在は居宅介護支援事業所の管理者として、多くの採用面接にも関わっている主任ケアマネです。
理学療法士出身のケアマネと一緒に働いた経験があり、管理者として理学療法士の面接をする立場でもあります。
この記事では、理学療法士からケアマネになるための受験資格、給料のリアルな比較、PT出身ケアマネの強みと苦労の実際を解説します。
この記事を読むと、あなたがケアマネへの転職が自分に合っているか、何から始めればいいかがわかります。


理学療法士からケアマネへの受験資格をチェック


理学療法士からケアマネへ転職するには、受験資格に該当する実務経験が必要です。
ここでは受験資格と受験概要について解説します。
実務経験5年かつ900日以上で受験できる
ケアマネになるには、都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
理学療法士は受験資格の対象となる国家資格に含まれており、次の2つの条件を満たせば受験できます。
・理学療法士としての業務に通算5年以上従事している
・従事した日数が900日以上ある
資格を持っている期間ではなく、実際に理学療法士として働いた勤務年数です。
例えば週3日勤務の場合、5年たっても900日に届かないことがあるため、日数は必ず確認しましょう。
逆に言えば、新卒から常勤で働いている理学療法士なら、5年目には多くの人が受験資格を満たします。
20代のうちにケアマネ資格を取ることも十分可能です。



実務経験の証明には、勤務先に実務経験証明書を発行してもらう必要があります。
転職などで職場が複数ある場合は、それぞれの職場から証明書が必要なので早めに準備しましょう。
試験は年1回!合格後は実務研修と登録が必要
ケアマネ試験は毎年10月に年1回だけ実施されます。
以前は持っている資格によって一部の問題が免除される制度がありましたが、現在は廃止されており、全員が同じ問題を解きます。
理学療法士は国家試験の保健医療分野の知識がそのまま活きるので、介護保険制度の分野を重点的に勉強するのがポイントです。
なお、試験に合格しただけではケアマネとして働けません。
合格後に介護支援専門員実務研修を受講し、都道府県に登録して介護支援専門員証の交付を受けて業務に就くことができます。
実務研修の日程は都道府県ごとに違いますが、多くは冬から春にかけて実施されます。



4月からケアマネとして働けるように組まれています。
ケアマネの試験合格後に必要な行動についてはこちらの記事を読んでください。
ケアマネ合格後にやること完全ガイド!主任ケアマネが研修・登録・転職の流れを解説
理学療法士とケアマネの給料はほぼ同水準


試験勉強をして合格後、研修を受けるまでの費用をかけてケアマネへ転職しても給料は同水準です。
ここではケアマネの給料と、理学療法士と同水準でもケアマネに転職するメリットを解説します。
平均年収はどちらも440〜450万円前後
理学療法士からケアマネへの転職で一番気になるのが給料ですよね。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は約443万円です。
統計は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリハビリ職がまとめて集計された数字です。
一方、ケアマネの平均給与は、厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると常勤で月37万5,410円。
この金額は手当や一時金を含んだ月額なので、年収に換算するとおよそ450万円です。
平均年収で見ると理学療法士とケアマネの年収はほぼ同水準で、ケアマネに転職しても給料は大きく変わりません。
収入の伸びしろは理学療法士よりケアマネ
平均が同じなら、どちらでもいいのでは?と思うかもしれません。
しかし大きく違うのは、将来の伸びしろには差があることです。
理学療法士の給料が伸び悩む理由
・診療報酬や介護報酬の枠内で収入が決まり、昇給幅が小さい職場が多い
・有資格者が毎年増え続けており、競争が激しくなっている
・年功で上がる職場でも、管理職ポストは限られている
ケアマネの収入が伸びやすい理由
・ケアマネ不足で、待遇を上げてでも採用したい事業所が多い
・処遇改善の対象が広がり、給与水準が毎年上がっている
・主任ケアマネや管理者など、資格と経験で役職手当がつくキャリアの道がある
実際に私の周りでも、主任ケアマネや管理者になって年収500万円を超える人は珍しくありません。
理学療法士からケアマネになる4つのメリット


私が一緒に働いたPT出身ケアマネの実例も交えて、リハビリ職ならではの強みを紹介します。
リハビリ専門の視点をケアプランに活かせる
ケアマネの仕事の中心は、利用者の自立支援で、本人ができることを増やすことにあります。
まさに理学療法士が現場で毎日やってきた提案をそのまま活かせる業務です。
私が一緒に働いていたPT出身のケアマネは、月1回のモニタリング訪問のときに、利用者の自宅環境を使って自分でできるリハビリを提案するのが得意でした。
例えば、廊下の手すりを使った立ち上がり練習や、玄関の段差を使った昇降運動など、その家にあるものでできる運動を提案できるのです。
これは介護職出身の私には簡単にまねできない、リハビリ職ならではの専門性です。
利用者や家族からの信頼も厚く、動作を見る目があるケアマネとして一目置かれていました。
住環境整備・福祉用具の提案に強い
居宅ケアマネの重要な仕事に、住宅改修と福祉用具の提案があります。
手すりの位置、段差解消、歩行器や車いすの選定など、身体機能と生活環境をつなぐ仕事です。
理学療法士は元々の専門性から、利用者の在宅生活の基本と言える住環境整備の知識があります。
介護職出身のケアマネがリハビリ専門職に相談しながら決める部分を、自分の知識で判断できるのは大きな強みです。
福祉用具専門相談員や住宅改修業者との打ち合わせでも、専門用語で対等に話せるので、提案の質もスピードも上がります。
体力的な負担が減って長く働ける
理学療法士の仕事は、移乗介助や歩行介助など、身体を使う場面の連続です。
腰痛に悩まされている方も多く、年齢を重ねる上で身体的な負担は多くなります。
ケアマネの仕事は、訪問・面談・書類作成・関係機関との調整が中心で、身体介助は原則ありません。
体力の消耗が少ないぶん、60代、70代まで長く続けられるのがケアマネの強みなのです。
実際、ケアマネは50代、60代が主力の職種で、50代になってからケアマネに転身する人も多いです。
体力の限界を心配せずに定年まで働けるケアマネは、リハビリ職の将来の不安への現実的な答えになります。
病院や施設で働いた経験が連携で活きる
理学療法士の多くは、病院や介護施設で働いた経験があります。
理学療法士の現場経験は、ケアマネになってからの連携業務で大いに活きます。
ケアマネは、利用者の入退院時に病院とやり取りする、退院調整の場面が頻繁にあります。
退院カンファレンスでは、病院の他職種と情報交換をするので、病院の中の動きを知っているPT出身ケアマネは話が早いのです。
リハビリの申し送り内容を正確に理解できる、医療職と共通言語で話せるというのは、医療連携を苦手とするケアマネが多い中で際立った強みになります。
理学療法士出身ケアマネのデメリットと注意点3つ


実際にPT出身ケアマネが苦労していた場面も、正直にお伝えします。
リハビリに前向きでない利用者への対応に悩みやすい
私が一緒に働いたPT出身ケアマネが一番苦労していたのは、リハビリ意欲がない利用者や家族への提案でした。
理学療法士はリハビリの効果と必要性を誰よりも知っているので、リハビリ意欲がない利用者へもどかしさを感じてしまうのです。
しかしケアマネの仕事はリハビリをさせることではなく、本人が望む生活を支えることです。
リハビリを望まない人には、望まないなりの支援の形がありますが、リハビリの必要性を強く感じているからこその苦労です。



専門性が高い人ほどぶつかる壁だと、隣で見ていて感じました。
本人の意思を尊重する視点に切り替えられれば、この壁は乗り越えられます。
自分の手でリハビリはできなくなる
ケアマネとして働く場合、たとえPT資格があっても、ケアマネの業務としてリハビリを提供することはできません。
介護サービスの計画を立て、サービス利用の調整をするのがケアマネの役割です。
自分の手で患者さんの回復を支えることにやりがいを感じてきた人ほど、ギャップを感じるかもしれません。
ただし、視点を変えれば、ケアマネは1人で30〜40人の利用者の生活全体を支えられる仕事です。
1回のリハビリではなく、その人の人生の設計図に関われる面白さに気づけると、ケアマネの仕事は一気に楽しくなります。
書類業務と調整業務が仕事の中心になる
ケアプラン、サービス担当者会議録、給付管理など、ケアマネの仕事は書類が多いのでパソコン操作が必須スキルです。
身体を動かす仕事から、デスクワークと電話調整、モニタリング訪問が中心の仕事へ。
この働き方の変化は、人によって合う合わないがはっきり分かれます。
とはいえ、リハビリ職も実施記録や計画書を日々書いているはずです。
書類を書く力はすでに持っているので、介護保険の様式に慣れれば問題なくこなせるようになりますよ。
ケアマネに必要なパソコンスキルについてはこちらの記事を読んでください。
ケアマネのパソコンスキル必須4条件!現役ケアマネが教える最低限これだけまとめ
採用側の本音!理学療法士出身は歓迎されるのか


ケアマネ不足なので、元職が何であっても歓迎されます。
理学療法士は住環境整備に強い、医療連携ができると、プラスの印象を持つ管理者がほとんどだからです。
ケアマネは誰もが未経験から始める仕事で、資格を取ったばかりの人を育てる前提で採用する事業所はたくさんあります。
大事なのは、未経験者を育てる体制がある職場を選べるかで、転職先を間違えると後で苦労することになります。
理学療法士ケアマネが活躍する職場とチェックポイント4つ


理学療法士出身のケアマネは、施設でも居宅でも大いに活躍できる職種です。
居宅介護支援事業所は住環境提案の強みが光る
在宅で暮らす利用者を支える居宅介護支援事業所は、PT出身ケアマネの強みが最も発揮される職場です。
自宅での生活動作を見る、住宅改修を提案する、福祉用具を選定するすべて理学療法士の知識が直結する仕事です。
モニタリング訪問で自宅の環境を使った運動を提案できれば、利用者からの信頼は一気に高まります。
在宅生活を支えたい、利用者の暮らしの場に関わりたいという人には、居宅ケアマネが一番のおすすめです。
施設ケアマネは病院や施設の経験が活きる
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで働く施設ケアマネも、有力な選択肢です。
理学療法士の多くは病院や施設で働いてきているので、施設の中の多職種連携の感覚をすでに持っています。
他職種と日常的に顔を合わせる施設ケアマネの働き方は、これまでの職場環境と近く、なじみやすいはずです。
特に老健はリハビリが柱の施設なので、PT出身ケアマネとの相性は抜群で歓迎されます。
失敗しない職場選びのチェックポイント4つ
未経験でケアマネを始めるなら、次の4つを満たす職場を選んでください。
- 主任ケアマネが在籍していて、未経験者への指導体制がある
- 特定事業所加算を取得している(研修や同行訪問の体制が整っている証拠)
- 1人あたりの担当件数が多すぎない
- 事務スタッフやサポート体制がある
この4つがそろっている職場なら、未経験でも安心してスタートできます。
逆に、入職初日からいきなり1人で訪問させるような職場は避けましょう。
求人票だけではわからない内部事情調査に役立つのが、介護・ケアマネ専門の転職サイトです。
レバウェル介護なら担当者が事業所の内部事情に詳しく、ケアマネ未経験者への指導体制を面接前に確認できます。
職場の働きやすさが、転職を成功させる一番のポイントです。
\リハビリ経験が活きる求人/
まずは相談だけでも利用できます。
理学療法士からケアマネへの転職でよくある質問
理学療法士とケアマネの兼務はできますか?
施設によっては、リハビリ職とケアマネを兼務している例があります。
ただし居宅ケアマネは業務量が多く、兼務は現実的ではありません。
ケアマネなるか迷っている段階なら、まず資格だけ取っておき、今の職場で働きながらタイミングを見るのも賢い選択です。
介護保険制度の知識がなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。試験勉強で基礎は身につきますし、実務で必要な知識は実務研修と職場のOJTで学べます。
理学療法士なら医療系の知識はすでにあるので、むしろ有利なスタートです。
ケアマネになって給料は下がりませんか?
平均年収で見ると理学療法士とケアマネはほぼ同水準です。
ただし職場によって差があるので、転職時に給与条件はしっかり比較しましょう。
主任ケアマネや管理者になれば、理学療法士時代より収入が増えることが多いです。
40代からでも遅くないですか?
まったく遅くありません。ケアマネは40代、50代でスタートする人が多数派の職種です。
むしろ理学療法士としての経験年数が長いほど、医療知識と人生経験が武器になります。
まとめ:リハビリの専門性はケアマネの現場で強力な武器になる


理学療法士からケアマネへの転職について、受験資格から採用側の本音まで解説しました。
・理学療法士は実務経験5年かつ900日以上でケアマネ試験を受験できる
・平均年収はほぼ同水準で、収入の伸びしろはケアマネに分がある
・住環境整備、福祉用具、医療連携でリハビリの専門性がそのまま活きる
・リハビリに前向きでない利用者への対応には切り替えが必要
・ケアマネ不足の今、PT出身者は採用側から歓迎される
体力の限界を心配しながらリハビリ業務を続けるか、専門性を活かして長く働けるケアマネに転身するか。
ケアマネはあなたのリハビリの経験を無駄にするどころか、より広い形で活かせる仕事です。
まずは転職サイトに登録して、あなたの地域にどんなケアマネ求人があるのか、情報収集から始めましょう。
\まずは求人情報を収集/
相談だけでも利用できます








